どのオーブンがいいの?

パン職人のあなたへ

パンを焼くオーブンは使用用途、目指す品質、予算などによって使い分けることが必要になります。

今回はオーブンの種類ごとの特性を紹介していきますが、どのオーブンにも熱源が必要になります。

基本的には《電気》《ガス》になりますが、そんなに大きく違いはないと思います。料金(本体料金やランニングコスト)と設備の容量などで判断するといいと思います。

オーブンの種類。

・デッキオーブン(平窯

どんなオーブン?

デッキオーブンは庫内の上部と下部(炉床)に熱線が入っていて、その温度を調整して焼き上げるタイプのオーブン。

どんなパンを焼くのに適している?

ふんわりと焼き上げたい調理パンや菓子パンには最適!

1段ごとに温度設定を変更できるので多種多様なパンを同時に焼成できるので、一般的なパン屋ではこのタイプのオーブンを使用することが多い。

注意点!

多くのパン屋で使用されており中古なども多く出回っているが、オーブンの大きさによっては重量が重いため、工場内で設置場所が梁の上や、柱と柱の間などに限られるケースもあるので注意しましょう。

・コンベクションオーブン(スチコン)

どんなオーブン?

コンベクションオーブンは庫内奥から熱風を循環させて焼き上げるタイプのオーブンで、デッキオーブンよりも焼成時間が短くなります。

最近の機種は自動洗浄の機能がついているため庫内の清掃の必要が無いため、労働時間の短縮にも繋がります。

どんなパンを焼くのに適している?

サクッと焼き上げたいクロワッサンやパン・オ・ショコラなどのペストリーやクッキーマフィンなどの焼き菓子に向いています。

焼成以外にも煮る、蒸すなども温度と湿度のコント−ロールすることにより可能。

自家製のローストビーフや角煮など、他のパン屋とは違った独自の具材を作ったり、肉まんを蒸したりと商品の幅が広がります。

注意点

小さいパン屋さんをオープンするときはこれで十分ですが、売上が高い店舗やフランスパン・食パンなど長時間焼成が必要なパン中心の商品構成の店舗だと、商品の提供が間に合わなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

・石窯

どんなオーブン?

石窯とは耐火性のレンガなどで作られたオーブンになります。

炉の内部の熱でレンガが熱せられるます。その輻射熱(遠赤外線)によりパンの内部にまで熱が入り、パンの外側は炉内の対流熱によりパンの中に水分を多く残した状態でカリッと焼き上げることができます。

どんなパンを焼くのに適している?

ハード系のパンはとても美味しく焼き上げることができるので、ハード系やデニッシュペストリーを中心にしたラインナップのパン屋さんにはおすすめです。

バゲッドなどは外はパリッと中はモッチモチに焼き上がり、オーブンキックも大きいためクープもキレイに焼き上がりやすいです。

注意点

他のオーブンに比べて温度の設定などが細かくできないので、焼く人の感覚に左右されるところが大きいクセの強いオーブンになります。

使い分け早見表

食パンハード系デニッシュ菓子パン焼き菓子容量多様性
デッキオーブン
コンベクションオーブン
石窯

※表はおいしく焼き上がるかという視点以外に、作業の効率や難易度なども考慮した個人的な感想です。

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