製パンの原材料の役割(製パン4大原料)
★ 小麦粉(強力粉)
小麦粉に含まれるグルテン質と水(水分)が混ざり、捏ねられることでグルテンが形成されます。そのグルテンによって弾力や粘りが作られます。《骨格形成》このグルテン形成によって作られた膜が酵母が出す炭酸ガスを包み込むことで、パンが膨らみます。
★ 塩
塩の最大の役割は味の付与です。塩を入れずに作ったパンは食べられないほど不味いパンになってしまいます。その他にはグルテンの強化や発酵調整も塩の役割です。塩を適量入れることで生地が引き締まり、グルテンが強化されます。逆に塩が入っていない生地はグルテンの強度が足りないので、べたつきやすい生地になります。塩には殺菌効果もあり、酵母が発行しすぎることを抑制してくらます。そのため塩を適量(2%前後)以上入れてしまうと酵母の働きが悪くなり、パンも膨らみにくくなります。
★ 水(PH6〜7が目安)
水は小麦粉と同様にグルテンを形成してくれます。その他にも生地の硬さの調整や生地の温度の調整も水の役割です。水を多く入れるともちもち食感のパンになります。また、夏には氷を入れて生地の温度を下げ、冬場はお湯を入れることで生地の温度を上げるなどの調整を水で行います。PHの高低は生地の硬さに多少影響を及ぼします。一般的にパンに使用する水の硬度はPH6〜7のやや硬水ですので、その土地の水の硬度をインターネットなどで調べてみるのもいいかもしれませんね。
https://www.kuritac.co.jp/column/map.html(全国の水の硬度)
★ イースト(酵母)
イーストは生地中の糖分を食べて(分解)増殖し、その際に炭酸ガスとアルコールを作り出します。炭酸ガスはグルテン膜に包まれてパンを膨らませ、アルコールはパンに風味をふよしていきます。イーストの種類により特性は異なりますが基本的な役割は同じです。イーストの種類別の特性については別の生地で紹介していきますね。
製パンの原材料の役割(付加価値)
★ 砂糖
砂糖=糖分なのでイーストのエサになります。その他には、当然ですが甘みの付与が大きな役割になってきます。また、砂糖を入れることにより保水性が高くなり、パンの老化を遅らせる効果(日持ちを良くする)があります。さらに焼成中の生地が150度を超えると糖のメイラード反応が起こり、美味しそうなパンの焼き色になります。いつもと同じ温度で焼いているのにいつもよりもパンの色付きが遅い場合は砂糖の量を間違えているかも。(焼成温度が低い場合やその他の材料が入っていない場合もあるので注意)
★ 卵
卵を使用することで風味や香りが良くなりますし、栄養価が高まります。焼成前に卵を塗ることで艶のある焼色に仕上がります。卵を多く使用する生地(菓子パンの生地、ヴリオッシュ生地等)は窯伸びも良く、焼き上がったときの食感はフワフワした生地になります。
★ 乳製品(牛乳・脱脂粉乳・生クリームなど)
乳製品にはパンの香りや焼き色を良くする効果や食感をソフトにする効果があります。もちろん栄養価も高まりますし練乳などは甘みを付与する効果も期待できます。
★ 油脂(バター・マーガリン・ショートニング)
油脂に共通している役割は、生地の伸展性を高める効果と生地の保水性を高める効果です。バターとマーガリンには風味の付与もありますが、ショートニングの特徴は無味無臭です。生地に伸展性を付与したいが小麦の風味を活かしたい場合にショートニングを使用します。
材料の特性を理解して美味しパン作りをしましょう。
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